甲状腺とは

甲状腺は“のどぼとけ”の軟骨の少し下で、気管の前にある、15-20gぐらいの小さな臓器です。蝶々が羽を広げたような形をしていて、気管に張り付いています。ホルモンの一種である「甲状腺ホルモン」をつくります。甲状腺の病気になると腫れてくる場合があります。
甲状腺ホルモンとは
甲状腺ホルモンは身体が栄養を摂取してから消費するまでのエネルギーの流れ(代謝といいます)を調節しており、胎児から思春期までの正常な発達や発育に、とても重要な役割を果たし、成人となっても代謝を調節する重要なものです。
そのため甲状腺ホルモンは、正常な身体の維持のために生涯にわたり必要不可欠で、その量は、多すぎても少なすぎても支障をきたします。
甲状腺ホルモンの分泌は脳にある下垂体という臓器から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって調節されています。 甲状腺ホルモンが不足してくるとTSHが増加して甲状腺を刺激します。 逆に、甲状腺ホルモンが何らかの理由で増えすぎるとTSHの分泌は抑えられます。
副甲状腺とは

大きさは4~5mmぐらいで、甲状腺の周囲にあり副甲状腺ホルモンをつくる臓器です。多くの人は4つの副甲状腺を持っていますが、なかには3つ、あるいは5つ以上もっている人も稀ではありません。
副甲状腺ホルモンとは
副甲状腺ホルモンは、血液中のカルシウム濃度を一定の範囲内に調節しています。健康な人では、血液中のカルシウムが減ると副甲状腺ホルモンが増加します。そうすると骨に蓄えられているカルシウムが血液中に溶かし出されてカルシウムが正常な濃度にもどります。
血液中のカルシウムが正常またはそれ以上あるのに、副甲状腺ホルモンが必要以上につくられる病気が副甲状腺機能亢進症とよばれ、主な原因として副甲状腺の腫瘍などがあります。
甲状腺・副甲状腺疾患の
主な症状
- 甲状腺機能亢進症(ホルモン過剰)の症状
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- 暑がり、汗かき、手の震え
- 息切れ、疲れやすい
- 体重減少(食欲あり)
- 微熱
- 月経不順
- 甲状腺機能低下症(ホルモン不足)の症状
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- 寒がり
- 皮膚乾燥
- 体重増加
- 便秘
- 気力低下、だるい
- 結節性甲状腺腫(しこり)の症状
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- 頚部の圧迫感、違和感(大きなしこり)
- 声がかすれる(良性では稀)
- 息が吸いにくい(大きなしこり)
- レントゲンで気管が曲がっているといわれた
- 副甲状腺機能亢進症の症状
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- 多尿
- 食欲低下、悪心
- 物忘れ、集中力低下
- 尿路結石、腎結石
- 骨粗しょう症
- 胃酸分泌過多